医療費のことと真面目なお話

なかなかお金についてのことは書きにくい内容なのかと思いますが、実際に直面する切実な問題なので書きたいと思います。

以前、ロビンの服用しているお薬について書きました。そして2週に1度の定期通院をしていることも。今は2日に1度の点滴が必要なことも。

ロビンは遺伝性のファンコーニ症候群に加えて、(恐らく)脳に何かしらの異常があります。そしてシニア犬です。
その為、どうしても薬の種類が多くなってしまいます。

ファンコーニ症候群で血液が酸性に傾いてしまうので、そうならないように重曹を。
発作を抑える為に鎮静剤を。
脳の異常によりステロイドを。
ステロイドの投与で不足しがちなカルシウムを補う為に炭カル錠を。
発作が起きてしまった時は鎮静の座薬を。

ファンコーニ症候群を発症した3年前から薬は増え続け、現在、1日に服用する薬は20錠を越えます。そして、それは2週間分で2万円を越えます。

ロビンは気付いた時にはファンコーニ症候群でした。元々保険に入っていなかった為、全て自費治療になります。
保険に入っていれば負担はもう少し違ったかもしれませんが、ロビンがこうなる未来などまるで予想しておりませんでした。

我が家では家計からロビンの医療費を出しています。もし、私が1人でロビンを飼っていたらと思うと本当に恐ろしいです。
1か月に薬と通院、検査で5万は確実に必要なのです。そして急変すれば慌てて病院へ行き、ICUの入院や静脈点滴…
月に10万を越えたこともあったと思います。

これは誰しもが出せるものではないと思います。我が家もたまたま今だからどうにか治療できていますが、家や学費や人間の医療費など、家庭の状況によってはきっと泣く泣く治療を断念することもあったでしょう。

少し話は逸れますが、私の親戚はビーグルを飼っています。ロビンの4か月後に生まれた現在11歳の子です。
その子はシニアになっても仔犬のような無邪気でやんちゃで、いつ会っても全力で飛び付いてくるような子でした。

しかし昨年、何の前触れもなく深夜に容態が急変し、幾つもの病院を回ったそうです。それでも夜分に出来ることは少なく、何とか朝を待って設備の充実した都内の病院へ行きました。

結果は腫瘍の破裂でした。
腫瘍があることすら、誰も気が付きませんでした。見た目にも態度にも何の変わりも無かったからです。

手術の成功率は50%と言われ、最悪の想像もしました。腫瘍の除去と、破裂した際の血液の癒着を取る手術だったそうです。
いざお腹を開いたら、医師の想像より遥かに酷い癒着があったらしく、予定時間を大幅に越えて手術は行われましたが、成功しました。

腫瘍は何と1㎏ありました。その後しばし入院し、抜糸まで都内へ通院することになりました。
そして甲状腺にも転移が見られましたが、寿命が来るのと悪化とどちらが早いか、という具合だそうで今は定期通院と服薬で経過を見守っています。

その子は今、吃驚するくらい元気です。
以前と変わらず飛び付いてきて、本当に本当に良かったです。

ですが、掛かった医療費は80万を越えたそうです。もちろん今後も掛かります。
それでもお金が掛かるから手術できません、なんて言えない、と親戚は話していました。家族ですから私もそう思います。

しかし、そうは言っても本当に無かったら払いたくても払えません。
命を預かるということは、綺麗事だけでは済まないことがあるのだと改めて考えさせられました。

私はできることなら一生犬と共に生きていきたいと考えています。
自分の後に見る人がいないのなら年齢と相談しながらですが、それ以前にある程度の経済的余裕が無ければ、何かの時に何もできない…その状態で犬を飼うのは難しいだろうな、と個人的には思います。
犬にとっても、私にとっても辛いことになるからです。

様々な考え方があり、家庭の有り様があり、犬との生活があります。私は他者の家庭での犬との関わりについては、余程酷くない限り(犬には毒となる食べ物を与える、暴力、飼育放棄など)口を出したり否定はしないようにしています。
昔ながらですとよそはよそ、うちはうちといったところでしょうか。

犬が主に番犬や猟犬であった頃とは変わり、家族として迎えられることが多くなってきています。
犬は飼い主にとって利益をもたらすものであることに変わりはないでしょうが、その利益はかつての仕事や防犯に関わることではなく、ふれあいによる癒しや心の豊かさだと感じます。

犬はあくまでも使役すると考えている方にとっては、そんな大金を払って治療をするよりも、別の犬を迎えた方が良いと思ったりするかもれません。
犬の治療の苦痛を考えれば、薬に頼らず自然に任せる方が良いと考えることもあるかもしれません。

今も悩みます。3年治療して、でも3年の間にも変化はし続けて、いつでも悩みます。
何がロビンの幸せなのか。
ロビンにとって１番良いのはどうすることなのか。

私にはロビンの言葉は分かりません。想像することしかできません。
だからいつも考えて、家族と主治医と相談して、ロビンの様子を見て決めます。
結局判断するのは人間です。だからこそ、小さなサインも見逃さないようにしたいと心に留めてあります。

本当に難しいことですね。
決めても、後悔したことも何度もあります。思うようにならないこともあります。
それでも、その時選べる中で最善と思われる道を選ぶしかないし、その心痛も含めて飼い主の役割なのだと思っています。

ただ、できることならできるだけ長く、できるだけ心地好く過ごしてほしいと願っています。
それに尽きます。

随分と長文になってしまいました💦
お読み頂きまして、有難うございます🙇🙇
全ての犬とその家族の、幸せを願います。